さくらこ資産運用

40代主婦の投資とお金についてのブログ

【FX基礎知識】pipsとは?計算方法・円換算の方法・使い方

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FXの取引をはじめると「pips」ということばを目にすると思います。

pipsはFX取引において重要な単位です。

通貨ペアのスプレッド(売値と買値の差)の計算や売買によって生じた利益または損失を計算する際に用いられます。

pipsは曖昧にせずに、しっかりと理解して取引する方が良いと思います。

「1pipsは何円?」「外貨同士のペアの場合はどうやって計算するの?」「50pips獲得したっていくら獲得したの?」「スプレッドが1pipsならば1回の取引でいくらスプレッドを払っているの?」などpipsに関する基礎知識から、取引で使う場合の計算方法や活用法をわかりやすく紹介します。

 

pipsとは?

まずはpipsの基礎的なことから紹介します。

pipsは「percentage in point」という単語の頭文字を取った言葉で「ピップス」と読みます。「ピプス」とも読みますが、正しい読み方は「ピップス」です。

 FXの世界では「通貨の1%」あるいは「値動きの最小単位」を指します。

pipsはFX取引のために便宜上導入された単位のことです。

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ではなぜ、円や米ドルなどの通貨単位ではなく、「pips」が必要だっのでしょう?

それは「共通の単位が必要だったため」です。

FXでは円、米ドル、ポンド、ユーロなど様々な通貨を使用してトレードします。

例えば、米ドル/円で取引している場合は円、ポンド/米ドルで取引している場合は米ドルが決済通貨になります。

全て円絡みの取引の場合は問題ありませんが、ポンド/米ドルで取引した場合には、単位をそろえるためにはドルをさらに円に換算する計算が必要になり、普段円を利用している日本人にとっては感覚的にわかりにくいです。

そこで、「pips」という共通の単位をつくり、異なる通貨ペアでも情報をわかりやすく管理しやすくすることができるようにしたということです。

pipsは通貨ペアの値動きや売買によって生じた利益または損失の計算やスプレッド(売値と買値の差)を計算する際に用いられます。

 

1pipsは日本円でいくら?

1pipsが日本円でいくらになるかは「円を含む通貨か」「それ以外か」で異なります。 

 

円を含む通貨ペア

米ドル/円、ポンド/円、ユーロ/円、カナダドル/円など円が後ろにつく通貨ペアは円が主体となっているので、比較的簡単に頭に入ると思います。

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円が絡んだ通貨ペアの場合は、1pipsは0.01円です。銭で表すと1pips=1銭で桁が同じなので比較的覚えやすいです。

私は小数点が苦手なので、100pips=1円で覚えています。

銭も日常では使わないので馴染みがありませんが、100銭=1円で覚えています。

 

レート表示で見た場合、米ドル/円のような円を含んだ通貨ペアは小数点第2位の位置が1pipsです。↓

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円を含まない通貨ペア

円を含まない通貨ペアはユーロ/米ドル、ポンド/米ドルなどうしろに米ドルがつくものやユーロ/ポンド、豪ドル/NZドルなど様々な通貨ペアがあります。

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円が絡まない通貨ペアは1pips=0.0001通貨です。

0.0001通貨の通貨はユーロ/ドルなら米ドル、ユーロ/ポンドならポンドなど、うしろにくる通貨のことです。円に換算する場合はうしろにくる通貨単位の1通貨あたりの対円レートをかける必要があります。

例えば

ユーロ/米ドルなどのドルがあとにくる通貨ペアの場合は、その時の米ドル/円のレートをかける必要があります。

その時のレートが1ドル=110円だとすると

1pips=0.0001ドル これを日本円にするには

1pips=0.0001ドル×110円
    =0.011円=1.1銭

なので、ユーロ/ドルは1pips=0.011円となります。

この1pips=0.011円というのはあくまで1ドル=110円の時の値なので、常に変化する値です。1ドル=100円の時ならば1pips=0.01円になります。

円絡みでない通貨ペアは少し面倒ですね。とりあえず大体の現在のレートで主な外貨通貨ペアが日本円でどれくらいなのか計算しておきますので参考にしてみてください。

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計算すると、大体100pipsが1円前後です。

 

レートで表示した場合は小数点第4位の位置が1pipsです。↓

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pipsが日本円でいくらになるかわかったところで、具体的なpipsの使い方を紹介します。

 

値動きをあらわす

pipsは通貨ペアの値動きをあらわす時に使われます。

 

円を含む通貨ペア

例えば米ドル/円の場合、米ドル/円チャートで109.000円が109.500円に上昇したとしたら、50pips上昇したと表現できます。0.5円上昇したのと同じ意味です。

チャートで見るとこんな感じです↓

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円が絡んだ通貨ペアの値動きの場合は、0.5円上がったなど円を基準にして表現しても良いのですが、pipsに慣れておいた方が良いと思います。 

 

円を含まない通貨ペア

外貨同士のペアの場合はpipsの方が表現しやすいです。

例えばユーロ/ドルの場合、ユーロ/ドルチャートで1.19000ドルが1.19500ドルに上昇したとしたら、50pips上昇したと表現できます。

「0.005ドル上昇した」と言うのと同じ意味ですが、小数点が多すぎてわかりにくいですね。

チャートで見るとこんな感じです↓

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 このように、日本円絡みの通貨ペアや日本円以外の通貨ペアなど異なる通貨単位のペアでも同じようにpipsで表現することができます。

日本円を含む通貨ペアと含まない通貨でも単位が同じだと感覚的にわかりやすいですね。

 

 損益の計算

 売買によって生じた利益または損失の計算にpipsを使います。

「獲得pips」から実際の利益額が一体いくらになるのか、その計算方法を確認しましょう。

 

円を含む通貨ペア

円を含む通貨ペアの場合は、「通貨量×獲得ips」で損益の計算ができます。

米ドル/円で50pips獲得した例で確認してみましょう。

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109.000円の時に買って、109.500円の時に売って50pips獲得しました。

利益がいくらになるかというと、購入した通貨量によって変わってきます。

50pips=0.5円=50銭

◆1,000通貨購入していたら、1,000通貨×0.5円=500円 利益は500円です。
◆10,000通貨購入していたら、10,000通貨×0.5円=5,000円 利益は5,000円です。
◆100,000通貨購入していたら、100,000通貨×0.5円=50,000円 利益は50,000円です。

 

円を含まない通貨ペア

ユーロ/ドルなどの円を含まない通貨ペアの場合は、円に換算する必要があります。

なので、「通貨量×獲得pips×対円レート」で日本円に換算した損益の計算ができます。

ユーロ/ドルならば、うしろにくる米ドルのその時の米ドル/円レートをかけます。ユーロ/ドルの通貨ペアで50pips獲得した時の利益は以下のように計算できます。

50pips=0.005ドル  米ドル/円レートが1ドル=110円だとしたら

◆1,000通貨購入していたら、1,000通貨×0.005×110円=550円 利益は550円です。
◆10,000通貨購入していたら、10,000通貨×0.005×110円=5,500円 利益は5,500円です。
◆100,000通貨購入していたら、100,000通貨×0.005×110円=55,000円 利益は55,000円です。

 

投資効率を考える

pipsを使うと「投資効率」を分かりやすく示すことができます。

例えば、AさんとBさんは、ある日の米ドル/円のトレードで、ふたりとも1万円を稼いだとします。
利益だけを比較すると2人の投資効率は同じにみえますが、以下のような場合はどうでしょう?

・Aさんはドル円が100.00円の時に1万通貨買って、101.00円の時に売った。つまり100pips獲得して、1万円の利益を得た。
・Bさんはドル円が100.00円の時に10万通貨買って、100.10円の時に売った。つまり10pips獲得して、1万円の利益を得た

FXでは、取引できる通貨量は手持ちの資金によって異なります。
Aさんは、Bさんよりも少ない資金と通貨量で、より多くのpipsを獲得して、同じ金額の利益を得ています。
つまり、Aさんの方が圧倒的に投資効率が良いことになります。
FXで投資効率をはかるには、「いくら儲けたか」よりも「何pips獲得したか」をみる必要があります。獲得pipsが大きければ大きいほど、投資効率が良いと判断できます。

 

スプレッドの計算

pipsはスプレッドの単位として使います。 スプレッドの単位は「銭」と「pips」の2種類あります。

スプレッドとは
為替レートの買値と売値の差のことです。売買手数料無料が一般的なFX業界では、スプレッドが実質的な取引コストになります。なので、スプレッドが狭いほど取引コストが低く有利ということになります。

 

銭を使う場合

一般的に米ドル/円など、通貨ペアに日本円が含まれる場合は「銭」を使用します。

例えば、米ドル/円の売値と買値の価格が売値100.00円、買値100.02円で提示されていたとしたら、その差額「2銭(=0.02円=2pips)」がスプレッドになります。

この値は1通貨あたりのスプレッドなので、米ドル/円を1,000通貨購入した場合には20円(=0.02円×1,000通貨)のスプレッドになります。

同様に10,000通貨購入した場合には、200円(=0.02円×10,000通貨)のスプレッドになります。

 

pipsを使う場合

ユーロ/ドル(EUR/USD)、ユーロ/英ポンド(EUR/GBP)など日本円以外の通貨ペアには「pips」を使用します。

例えば、ユーロ/ドルの売値と買値の価格が1通貨あたり売値1.14030ドル、買値1.14050と提示されていたとしたら、その差額「2pips」がスプレッドになります。

ここでいう「2pips」は0.0002ドルのことです。

日本円に換算する場合はその時の米ドル/円の為替レートをかける必要があります。

米ドル/円が1ドル=110円だとしたら、

「2pips」=0.0002ドル×110円=0.022円

ユーロ/ドルを1,000通貨購入した場合は、0.022円×1,000通貨で22円のスプレッドになります。

ユーロ/ドルを10,000通貨購入した場合は、0.022円×10,000通貨で220円のスプレッドになります。

 

日本円を含まない通貨ペアは少し計算がややこしくなりますが、外貨同士のペアの場合も計算できるようになると良いですね。

 

まとめ

  • 「pips」はFXの世界では「通貨の1%」あるいは「値動きの最小単位」
  • 円を含む場合 1pips=0.01円=1銭(小数点第2位)
  • 円を含まない場合 1pips=0.0001通貨(小数点第4位)

まずは以上のことを頭に入れて、チャートやレートを見ていればトレードしながら、徐々に慣れていくと思います。